先週の土曜日、東京八重洲にて第20回雨漏り診断士資格試験が行われた。
今回で20回を迎えた雨漏り診断士の試験であり、同時にNPO法人雨漏り診断士協会の設立から10年が過ぎたことを意味しています。
この10年と言う期間を振り返ると、本当にあっという間の10年であった気がするし、また、試行錯誤の10年であった気もする・・・・・。
どちらにしても、そもそもが建築業界に雨漏りに関することを本質的に勉強する機会は存在していなかったし、まして雨漏りを診断する資格などあり得なかったところからスタートしてきているので、すべて一から作り上げて来たと言う思いもあり、感慨深いものがあります。
そんな今回の試験、今回も申し込み開始当日に、と言うか午前中には満席になってしまう状況で、申し込み希望の方々で、間に合わない方が出てしまっている現状に、大変心苦しく思っており、またその分の責任を強く感じています。
だからと言うわけではない無いのでしょうが、受付開始時間を待たずして、ぞくぞくと受講者の方々が会場入りし、受付開始時刻には、すでに9割以上の方が席に付いてテキストを読んでいるという状況。
その真剣な皆さんの姿勢に刺激されたのか、いつにも増して、私たちの講義にも熱が入りました。
ただ勘違いしてもらっては困るのが、講習に参加しさえすれば貰えてしまうような名ばかりの資格では無いということ。
そりゃあ、そもそも雨漏りに関することを勉強する機会が無い中で、雨漏り診断士と言う資格名を名乗る以上、その責任は大きなものとなるのは当然と言えば当然。
だからこそ、私たちも真剣なんです!
しかし、雨漏り診断士という資格の性質上、と言うか雨漏りに関わるということは、資格を取得しただけではスタートラインに立ったに過ぎず、多くの事例を経験してスキルが上がっていくものです。
そして、数多くの事例に直面することで、雨漏りはどんどん難しくなるという不思議なもの。
なぜ難しくなのるのかといえば、これは解決する事例が多ければ多いほど、難しい案件が目の前に現れることを意味しています。
なぜなら、雨漏りに真剣に取り組む人がそれだけ少ないからなのです・・・・。
そもそも、建物を建築するために絶対必要な図面を書くのは建築士であるにも関わらず、雨水の影響を大きく受け、ダメージを受け易い建物が存在していたり、雨に弱い建物があることで雨漏りをする。
また、雨とケンカしているような建物や、導水をまったく無視したような建物も。
建物の本質は、雨や風をしのぐことであるにも関わらず・・・・・。
建築業界において、もっとも重要な資格である建築士が設計した建物が雨漏りを誘発してしまっているような事例もある中で、だれが雨漏りに取り組むのであろうか。
中には、「あそこが悪い!ここが悪い」と悪い悪いを繰り返すだけで、どのような原因において雨水が浸入し、壁内をどのように通って行くことで室内へと浸出しているのかという経路も表すことが出来ないにも関わらず、雨漏りについて判ったつもりになる人もいる。
「悪い」というだけなら誰でも言える話である!!
雨漏りに困っている方からすれば、お題目や犯人探しではなく、雨漏りの原因がわかり、どのようにすれば良いのか、先々を考えてどのように対処するのが良いかが判ることが重要であると思うのです。
さて、ちょっと暑いブログとなってしまった気もしますが(笑)、世の中の雨漏りに困っている方々のためにという想いは、私たちの強い想いだからです。