塗装と雨漏り修理「第一浜名建装」現場日記

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雨漏りの最近のブログ記事

「雨漏り」連載記事掲載のお知らせ 2016年3月号

日経ホームビルダー連載 「事例で分かる雨漏り修理のツボ」 記事掲載 (2016年3月号) のお知らせです。

今号のサブタイトルは 「飛散、バルコニー防水の手順無視」

実際に起きている雨漏りの現場にて調査、修理を行った事例におきまして、お住まいのお客様から承諾をいただき、一つの建物に仕込まれている雨漏りという瑕疵について、連載にて部位ごとに解説していきます今回が2回目です。

 

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先月発行されました号では、今回の事例の総論として、ひとつの建物で何箇所の不具合が生じているのか、そしてその関連性についての解説をしております。

 

今回からは各論に入りまして、修理をしている内容を伝えながら、修理のポイントや雨仕舞の基本概念、そして検証について紹介しております。

 

自分自身で記事を書く2回目の作業となりましたが、まだまだ2回目では、記事向けの文章は難しく、随分と悩みながらの作業でした(苦笑)

 

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家づくりの実務者情報誌として発刊されています日経ホームビルダーですが、一般の方向けではなく、あくまで実務者(建築関連向け)向けであり、定期購読の申し込みや、webにて購読できる誌面となります。

残念ながら一般のお客様には馴染みのないものであり、簡単に読むことはできないものですが、広くこの活動が、多くの建築実務者の方々の記憶に残り、雨漏りをしない建物が増えてくれることを願いながら寄稿は続きます。

 

沖縄県にて雨漏り調査・・・

先日、なんと沖縄県まで雨漏り調査に行ってきました。

それも那覇市内から50キロほど離れた地域であり、南国らしいというか、緑豊かな場所にあるお宅。

まだ数年しか経過していないお宅ですが、引き渡し後1年程度で建設会社は倒産してしまったそうで、今まで自費で補修をしてきが解決していないとの事でした・・・・・。

 

 

 

1泊2日、遠方であることを勘案し、この短い時間で雨漏り調査をし、雨漏り診断をしてくるのが仕事ですが、そもそも、事前情報があまりに少ない。

これは立地条件等のことであり、同じ日本とは言え根本的に気候が違う場所であるため、聞き取り内容だけでは、どうにも原因の予見がしにくいのです。

そのため調査員2名にて、現地へ向かったのです。

 

 

 

今回の調査パートナーは、雨漏り110番グループ東大阪中央店で活動する坂元社長。

ここ数年、雨漏りについていろいろと細かなやり取りをするメンバーの一人ですが、昨年、寝屋川で一緒に雨漏り調査をしたこともあり、スキルも判っていることもあり、良いパートナーの一人です。

 

 

 

午前中の飛行にて那覇に向かい、那覇空港で昼前に集合。

大阪と浜松ですから、片や伊丹空港から、片やセントレアからのフライトで、昼前に那覇空港での待ち合わせです(笑)

そこからレンタカーでおよそ1時間半、現地へ到着し、さっそく1日目の調査開始です。

現地では、二人で手分けして確認を行い、お互いに想像する経路について話し合い、そして確かめをするという作業を行いましたが、お互いに感覚を理解しているためか、粛々と調査は進みます。

調査に際し、サーモグラフィーなどの調査機器も利用していますが、事実確認のためにも散水前後の変化を確認するための補助でしかありませんが、そこそこ大きな機材も持ち込んでいます。

 

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事前調査と位置付けた1日目ですが、翌日の調査準備もあり、一部に散水調査を施してこの日は終了です。

 

 

 

翌日、2日目の調査では、前日の結果も含めて検証し、違う箇所にも散水。

実はこの時点で、調査は事実確認に絞られていました。

これは調査前の話からスタートになるのですが、図面を確認した時点で、建物の立体が概ね頭に浮かび、図面に記載された仕様書を確認することと、現地の写真を見ると、この時点でおよそ雨漏りの被疑箇所について、可能性はイメージしているのです。

その位置関係が全くわからないままですと、そもそも散水する位置すら定まらないので、事前の情報把握は大変重要なんです。

また現地で散水位置を決める際には、頭の中で建物内部を伝う雨水の浸入経路も想定したうえでの事ですから、散水調査とは最終確認と言ったところ。

今回ももちろん、そのことも踏まえて現地入りしているのですが、さすがに遠方ですから、いろいろと思い違いもあるかもしれないということで、念入りに準備しています。

ですが、建物を目の前にするとアドレナリン全開となり、いろいろな部位をさまざま視点で確認してしまいますが、もちろん雨漏り診断することにも全力です(笑)

 

 

 

今回の雨漏り調査、診断の結果についての総論、各論ともに、依頼者があることで触れませんが、このような依頼について思うところもあります。

そもそも、今回のようなケースであれば、新築時の完成時にある程度予見できた可能性が高く、そういう意味では、新築の検査はどこまで行われているのか?という疑問が出てきます。

そこを言ってしまっては、瑕疵担保保険についての話になりますから、元も子もなくなってしまうのでしょうが・・・。

ただし、それらのことを鑑みても、建築業界全体のレベルアップというか、まずは必要最低限、建物に関わる全ての人の意識向上が必須なのだと思います。

 

 

 

話が脱線してしまいましたが・・・・・、2日間の調査を無事終了したものの、帰りの飛行機は、調査が長引いた際の保険として、夕方以降のフライトであったため、若干(?)時間を持て余すことに。

そこで、後学のためにもと、近隣建物を見て回った後に、沖縄の伝統的な建物も見に行きましたが、そもそも沖縄本島を移動して感じたのは、建物大小問わず、ほぼRCだという事。

ごく一部に鉄骨造のビルはありますが、低層のほとんどは住宅を含めてRCばかりでした。

純粋に木造が見られたのは、結局は首里城のみ・・・。

 

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観光地である首里城にて、坂元社長から、ほかの観光客とはまったく違う場所を撮っていると笑われながら、場内を回りました(笑)

観光用とは言え、このような建物が標準だったのか?と思うと、なかなか耐久性を担保するのは難しいのではなかろうか?なんて事も考えてしまいます。

これこそ地域差ですし、その場所で長年良しとされてきた工法もあるわけですから、いろいろ見ることで大変勉強になりました。

もちろん、一般的な建物についても同様です。

さすがにまた沖縄に調査に来ることは無いでしょうから、いろいろな建物を目に焼き付けてきました(笑)

 

 

 

こんな駆け足での出張調査を行ってきたのですが、この2日間、坂元社長と多くの雨漏りについての議論を交わしました。

雨漏り110番グループにおいて、技術統括本部長という役割を担ってますので、各店のレベルアップをバックアップすることも私の仕事ですから、雨漏りについて想いを共有し、かつ技術論を交わすことは、もっとも望ましいことだと思っていますので、そういう意味でも大いに中身の濃い2日間でありました。

 

「雨漏り」連載記事掲載のお知らせ 2016年2月号

昨年12月から取り組んでおりました、日経ホームビルダー誌での「雨漏り」記事の作成。

今月発売の日経ホームビルダー2月号から連載開始となりました。

 

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「事例で分かる雨漏り修理のツボ」と題し、戸建住宅で起きていた雨漏りの事例について紹介をしています。

日経ホームビルダーという雑誌は、書店には並ばないものですから、一般の方向けではなく、あくまで住宅に関わる実務者向けの雑誌となります。

ですから、現場実務者に向けた内容で進めていきたいと思っております。

 

 

今回、こちらにお住まいのお客様に快諾いただき、事例の紹介をさせていただいているのですが、残念ながら、この雨漏り事例について一言で言うならば、サブタイトルにもあるように「知識不足が雨水を呼び込む」という、建築時の施工の瑕疵は、実務者の知識不足であったとしか考えられないものでした。

言うならば、お客様にとってみれば、雨漏りは直したいが、聞きたくは無い現実だったと思います。

しかしながら、寛大なお客様であり、「役に立つのなら」と言ってくださったのです。

 

 

それにしても、建築時に正確な知識があり、尚且気をつけていれば、今回のような雨漏りを起こすような処理はしていなかっただろうと思うのです。

もちろん、世の中絶対なんてものは無いので、うっかりミスというような事や、予想を超える天候など、色々な可能性はあると思いますが、ちょっとしたと言う事が、気遣い一つで雨漏りを起こすような建物にならないような原因となることも多々あると考えています。

だからこそ、自分の経験してきた現場でのノウハウを、実務者の方々に理解してもらいたい、そして役立ててもらいたいと思っているのです。

 

          

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今回初めて自分で書いたのですが、そもそもこのような誌面用の記事など自分で書いたことはありませんでしたので、編集者のOさんには随分ご迷惑を掛けてしまったと思いますが、連載ですので、しばらくは勘弁してもらいながら続けていきます(笑)

皆様、もしどこかで目にする機会がありましたら、是非ご覧下さい!!

「伝える」の重要性

ブログの更新が随分と長い期間滞ってしまいましたが、本日久しぶりの更新です(笑)。

現場が大変タイト状況が続きながらも、なんとか10月末日で第28期がキリとなり、11月1日より29期目を迎えられたと安堵していたのもつかの間、そんな気分も一瞬で過ぎ去り、すでに11月も後半に入ってしまいました。

 

 

 

一昨日まで千葉、東京と2泊3日で出張に出ていましたが、多くの方とお話させていただき、多くのものを見て触ることで、建物を直すという仕事において何をするのか?、どんな手段を用いる事ができるのか?、なんてことも頭の中でイメージしつつ、多くことをインプットして来たのです。

特にジャパンホームショーの会場では、毎回出展しているメーカーさんのブースでも、その時々でヒントにつながる事が違い、新たに閃くこともあるため、自らの時間と足を使う事の重要性を感じています。

 

 

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もちろん、毎回ヒントになるというのは、私が収集し整理出来る情報量が少ないからと言う、自身の能力不足もあるのかも知れませんが・・・(苦笑)

 

 

 

 

そして3日間の行程を終え、自宅に帰宅できたのは夜10時過ぎ。

机の上を見ると、先月取材を受けていた建築雑誌が届いていました。

 

 

 

 

雨漏りについての取材を受け、誌面になるということは、お客様に説明することと同じで、説明力が求められると思っているので、取材時には慎重にかつ詳細に状況を伝えられるように、注意しながら話をさせていただきました。

その後、不明点の質問が返ってきたので、手書きで断面のイラストを書いたりしながら、説明をさせてもらったのですが・・・・・。

届いた誌面を確認してみると、う~ん、伝えることが出来ていなかったという自分の力不足を痛感するしかありませんでした(涙)

 

そもそも雨漏りとは、建物に何らかの瑕疵がある、不具合があることが原因となって、天井や壁の中に雨水が浸入し、室内へと浸出する具象である。

この言葉では難しいと考えるならば、屋根や外壁、そしてその下地の防水に不具合があることで、雨水が室内へと入ってしまう現象である。

 

だからこそ、普段からお客様宅で説明させてもらう時には、建物の細かな部材の名称すら判らない方へ向けてとして

①なぜ?漏ってしまったのか、建物の構造と原因、その位置関係の解説

②その原因はどうして作られてしまっていたのかと言う推測

③雨漏りによる建物本体への影響は、現状どのぐらいなのかを説明

④雨漏りを直すためには、どのような対策をするべきなのかを提案

 

このような事をしていて、伝えられていると思っていた自分が居たのだが、今回の記事ではそれがまったく出来ていなかった・・・。

よしんば自分の家に被害を受けているお客様は、困っている現状が目の前にあるからこそ、理解することができるのだが、第三者からすれば、雨漏りという危機的状況が自分に降りかかっていないので、伝わるものも少なくなってしまうのだろう。

これは、自分の伝える力の不足があったと、悔いるばかりです。

 

何よりも「伝える」の重要性。

お客様であっても、第三者であっても、全ての方へ伝えられるようにするのが、雨漏りを直す仕事をする私の使命であると考えれば、この重要性は非常に大きなものであると思うのです。

だからこそ、受けること、発信すること、どちらも合わせて総合的な努力を重ねること、その努力がまだまだ不足していると痛感してしまいました・・・・・・・・・・。

 

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雨漏りの原因は屋根

慌ただしく変化する天気に、外仕事が多い弊社のようなところは、天気の状況に右往左往することも多いのだが、今年は例年になく予定が立てにくい、工期が読みにくい状況が続いています。

それを言い訳にするのも・・・とは思いつつ、前回のブログ更新から、随分と時間だけが経過してしまいました。

しかし、この間も天気に悩まされつつも現場は稼働し、多くの現場に関わらせていただいております。

 

 

 

 

さてそんな中、最近お邪魔したお宅は、屋根からの雨漏りであると思われるお宅。

今回のお宅は、お客様自身が雨漏りに気がついたのは、納戸となっている部屋に入った際、何気なく見上げた天井にシミがあり、雨漏りに気がついたとのことでした。

そこで、窓からデジカメを持った手を伸ばし、できるかぎりの屋根状況を撮影してみたり、押入れから天井裏を覗き、雨漏りの様子を確認したりと、お客様自身で、できる限りの調査を行い、その情報とともにご連絡いただきました。

 

 

 

 

お客様からの情報では、現状の写真として屋根の側面や天井裏を撮影したものがあり、状況の把握には十分な材料となりました。

また、当然のことながら、いつ漏ったのか?、どのぐらい漏ったのか?、使われている素材や築年数など、細かな情報もありましたので、メールのご相談の段階で、こちらの雨漏りの原因は屋根であると断定できたのです。

正直な話、メールのやり取り1回で、屋根状況が手に取るように判ったので、実際にはピインポイントの部分など見えていないにも関わらず、頭の中には雨水が建物に浸入する様子がはっきりと浮かびました。

それはもう、これで十分に診断に至るような画が浮かんでしまうのですから、その情報量は言うまでもありません。

もちろん、私どもも長年数多くの雨漏り修理をさせていただいておりますし、それ以上に、16年ほど前から、ネットを通じて日本中から数多くの雨漏り相談を受けてきていますので、これらの経験においても、十分に推測する力は持っていると自負してますが、それでもお客様からの情報に勝るものは無いのです。

なにしろ、生の現場を目撃しているのですからね。

 

 

 

 

そして実際にお邪魔し、屋根に登ってみると案の定、頭の中に浮かんだ状況が目の前にありました。

 

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これは瓦屋根であり、中央にあるのは銅版の谷樋。

そしてお約束のように、銅版に腐食のサインとなる、変色が確認できます。

 

 

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瓦屋根の場合、谷の部分に昔は銅版が用いられることがほとんどでした。

銅版の加工性の良さと、耐久性が高いと信じられていたことが使用の根拠なのですが、近年・・・・・(というか、すでに10年以上前から銅版に腐食で穴があく事象はたくさん確認されていましたし、交換も数多く行ってきています)、多くの外的要因から銅版の腐食が起こってしまうことで、上の写真のように、穴があいてしまうのです。

この外的要因とは・・・、ここで書くと化学の授業のようになってしまいますので、あえて書く事はしませんが、興味のあるお客様であれば、ご説明はどんどんさせていただきます(笑)

などと穴があいてしまう部分は谷樋になる部分、ようするに谷間であり、雨水が集中する場所なのですから、言うまでもなく雨水が建物内に浸入するところになるのです。

 

 

 

 

ただし、屋根の仕組みとしては、1次防水であり、表面仕上げ材である瓦などと、その下には2次防水となる防水シートを用いられるのがセオリーですから、穴があいたから、すぐさま雨漏りにつながるのかと言えば、実はそうとは言えないのです。

この仕組みが雨仕舞というもので、雨水対策の一つなのですが、雨漏りをするということは、そこに劣化や不備などがあると言うことが考えられるというわけです。

まあ言うまでも無いことですし、そういう意味では一見、簡単な事例とも言えますが、実は雨仕舞を含めた要因というは、それこそベースとなる知識があってこそ判るものなので、こちらのお宅でも、修理としてやるべきことは一つではないのです。

 

 

 

 

さて、なんだか抽象的な表現ばかりになってしまいましたが、実はこれ、ネットという簡単に情報収集ができる今の時代、間違って伝わってしまうことを懸念してのこと。

いくら私どもが一生懸命に文章を書いたところで、受け手にベースとなる知識が無い状態ですと、全然違う理解に繋がってしまうこともあるのですから、それを考えると、勘違いやトラブルを避ける意味でも、あまり詳細に書くべきでは無いだろうと思うのです。

もちろん、よそでのトラブルは私には全く関係無い話ではありますが、お客様がへんな被害にあわないように考えると、情報発信とともに抑制も、私どもの使命の一つだと考えるからなのです。

そして私どもの本当の仕事は、この雨漏りを完全に治すことなので、理論をしっかりと説明しつつ、技術をつぎ込むだけなのですが・・・・・。

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